ネタバレ『イカゲーム3』のゲーム内容と考察

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

ついにNetflixシリーズの大人気ドラマ『イカゲーム』シーズン3(最終シーズン)が配信されましたね。

今シーズンもおもしろくて一気に観てしまいました。

シーズン2ではゲームの前半戦ということもあってか、正直少しぬるいゲーム内容だったと感じました。

しかし、シーズン3のゲームはシンプルながらも、シンプルだからこそ、奥が深く、挑戦する人間たちによって思いもよらないことが起こるゲームだと感じました。

人間たちの利己的で独善的な悪意や、恐怖や欲望などの様々な心情が炙り出されました。

今回は『イカゲーム』シーズン3に登場するゲームの内容をまとめたいと思います。

第4ゲーム「かくれんぼ(かくれんぼ鬼ごっこ)」

「かくれんぼ鬼ごっこ」を元に考案されたゲームです。

「かくれんぼ鬼ごっこ」は私も子供の頃ハマっていたことを覚えています。

かなり盛り上がりますよね。

ルールは、参加者が赤(鬼)と青(逃げる人)の二組半々に分かれて、迷路の中で赤は青を1人殺せばゲームクリア、青は制限時間30分隠れ続ける(生き残る)か出口から出ればゲームクリアとなります。

組分けは、赤と青のボールの入ったガチャガチャの抽選器で行われ、回す順番は適当でした。

青の人には○△□の形をした鍵のどれかを一人一つ渡されており、これで迷路の中にある鍵穴が合う扉を開けることができます。

扉は多数あり、一度開けると再度ロックすることはできません。

出口のみ○△□の形をした鍵穴がそれぞれ一つずつあり、3種類の鍵がないと開けられないようになっています。

また出口は閉めると再度ロックされるようでした。

これらの出口の情報は説明されていません。

赤の人には素手で殺すのはさすがに厳しいということからナイフが渡されました。

また、ゲーム開始までの間であれば、合意の上で赤と青を交換することもできました。

このゲームは参加者が参加者を殺すという明確なルールがあるため、難易度が跳ね上がりました。

このゲームのルールでは、赤は1人だけ殺せばゲームクリアとなるのですが、ゲームクリア後も賞金を増やすために参加者を殺す人が現れます。

青が一人減ればその分クリアできない赤も脱落することになります。

ただし、赤が赤を殺すことはルール違反となります。

このような普通思いもつかないようなルールの外側での行動によって、まったく違うゲームのようになってしまうのが『イカゲーム』のおもしろいところだと思います

このゲームではいろんなハプニングがあり、様々な人間模様が描かれて見応えがありました。

第5ゲーム「大縄跳び(大縄跳び渡り)」

「大縄跳び」と「綱渡り」を合わせたようなゲームです。

大縄跳びをしながら、距離約10m、幅約50cmほどの橋を渡るというシンプルなルールです。

制限時間20分以内に向こう側に渡ればゲームクリアです。

橋を渡る順番は自由です。

高さはおそらく20mほどあり、落ちたら死にます。

また、橋の真ん中は約1mほど途切れていました。

このゲームでは、先に渡って待ち伏せして、ゴールしてくる参加者を落とすという人が現れました。

ただ渡るだけのシンプルなゲームがこの一人の行動により、とんでもないクソゲーに変わりました。

ゲームを作った側はこういう人が現れることも当然織り込み済みなんでしょうね。

第6ゲーム(最終ゲーム)「天空イカゲーム」

「イカゲーム」という名前が付いているものの、シーズン1で行われた韓国の昔ながらの子供たちの遊びである「イカゲーム」とは関係がなく、○△□の形のみが共通点です。

ファイナリストは赤ちゃんを含め9名。

ルールは、高さ約20mほどある四角柱、三角柱、円柱の順に、それぞれで押し出しゲームをしていきます。

参加者のうち生きたまま1人以上を柱から落とすと残りの参加者はクリアとなり、次の柱に進めます。

最終的に円柱の上で残った全員が優勝者となり、賞金を山分けしてこの島からも出られることになります。

床の真ん中にあるボタンを押すとゲームスタートとなります。

制限時間は15分で、制限時間ないに脱落者が出なかった場合、全員脱落となります。

このゲームはシンプルな上に禁止事項もなく自由度が高く何でもありのため、全く予想のつかない展開になるゲームだと思います。

参加者全員でなく仲間内だけで相談した上での多数決が民主的だと言い切るシーンが印象に残りました。

少数派を切り捨てるような多数決は民主的でなくただの数の暴力でしかないこと。

相談することは一見民主的なことのように見えて、その場の空気やプロパガンダ、人間関係によって操作されていること。

これはドラマだけのフィクションではなく現実世界でも起きていることです。

『イカゲーム』シーズン3のゲームは、シンプルながら本当によく考えられたゲームだと思いました。

脚本家は、恐怖と欲望で極限状態にある人間がこの状況だったらどのような行動をとるのかを考えに考えているのだろうと思いました。

よくこんなことを思いつくなと感服しました。

生き残るためにはどこまで自己中心的になれるのか。

または、誰かを守るために自分を犠牲にできるのか。

そういう人間心理や限界を徹底的に掘り下げ、私たちにエンタメを通して考えさせようとしているのだと思います。

この参加者は次のゲームに参加させると都合が悪いからこのゲームで殺しておこうというような、物語の外からの介入、制作者側の都合が見えてしまうと冷めてしまう恐れもあるので、慎重に緻密に組み立てないといけないと思いました。

シーズン3は、これまでよりも裏切りや葛藤、後悔などの人間心理を深く描いた作品になっていると思いました。

また「民主的という偽善的なプロパガンダに支配された投票」「ルールを守ったほうが負ける」「善人が損をする」というような現実社会のメタファーを大いに含んでおり、とても考えさせられる作品でした。