『イカゲーム3』の謎、456番ソン・ギフンはなぜ生かされたのか?最後のシーンは続編『イカゲーム: アメリカ』を示唆

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

Netflixシリーズの大人気ドラマ『イカゲーム』シーズン3(最終シーズン)では気になるシーンがいくつかありました。

ここではソン・ギフンだけがなぜ生かされたのか、最後のシーンは続編があることを示唆しているのかなどについて考察していきたいと思います。

456番ソン・ギフンはなぜ生かされ、贔屓されたのか

シーズン2のラストでゲームの参加者が主催者へ反乱を起こしますが、失敗して皆殺しにされてしまいます。

しかし、主導者である主人公のソン・ギフン(参加者番号456)(演:イ・ジョンジェ)だけはなぜ生かされて再びゲームに参加させられました。

また、最終ゲーム前日の夜にはフロントマン(ファン・イノ)(演:イ・ビョンホン)に呼び出され、他の参加者を寝ている間に殺せば助かるとナイフを渡されます。

なぜギフンだけが生かされ、贔屓されたのでしょうか。

はっきりとした理由は明らかにされていませんが、おそらくそれはフロントマンがギフンに興味を持っていたからだと思います。

ゲームの運営責任者であるフロントマンは、参加者はゲームにおいては”平等である“ことを絶対としており、ゲーム内容を事前に教えてもらった参加者や教えた運営スタッフは容赦なく射殺するほどでした。

そんな彼がギフンだけ生かしたり、ナイフを渡すなどの贔屓をするのは余程のことではないでしょうか。

これまでの彼からは考えられない行動です。

なぜ興味を持ったのかといえば、もちろん、一度ゲームで優勝し大金を手にしたにも関わらず、再びゲームに参加したからです。

お金のためではなく、人のために、今後ゲームが開催されないように終わらせるために。

これまでのどの参加者とも違う、そして自分とも違う、人のために行動するギフンにどうしようもなく興味を持ってしまったのではないでしょうか。

シーズン2でフロントマンはオ・ヨンイル(韓国語で01という意味)という偽名を使い、001番としてプレイヤーに紛れゲームに参加し、ギフンに近づきます。

そしてシーズン2のラストでは、反乱の中で撃たれて死んだと思わせた後、フロントマンとして現れ、ギフンの旧友であるパク・チョンベを射殺しました。

他の反乱者も全員殺されましたが、ギフンだけ生かされその後のゲームにも参加させられました。

そしてシーズン3の最終ゲームの前夜、フロントマンはギフンを呼び出し、正体を明かしました。

ギフンが生かされたのはVIPの意向もあったのでしょう。

一度優勝し大金を手にしたのに、再びゲームに戻ってきた者に興味を持っていたはずですし、ゲーム以外で殺してしまうのはおもしろくないと考えたのではないでしょうか。

VIPの意向がこのゲームのルールであり、赤ちゃんを母親のキム・ジュニの代わりに222番としてゲームに参加させたのも、フロントマンの提案とVIPの総意でした。

フロントマンの提案の矛盾

フロントマンであるファン・イノは、2015年に開催されたゲームに132番で参加していました。

妊娠中の妻の急性肝硬変を治す肝臓移植の費用を稼ぐための最終手段でした。

その際、今回彼がギフンに提案したように、最終ゲーム前夜にゲームのオーナーからナイフを渡され、就寝中の参加者たちを殺すように提案されたのです。

そして、彼は他の参加者を皆殺しにして優勝しました。

今回ギフンに同じ提案をしたのも、彼ならどうするのか興味を持っていたからではないでしょうか。

フロントマン、ファン・イノを演じたイ・ビョンホンはフロントマンの内面の変化について、インタビューに答えています。

「例えば、ギフンを見て『自分と同じ道を歩むのではないか』という不安を抱く一方で、『自分にはできなかったことをこの人ならやり遂げられるかもしれない』という期待や応援の気持ちも芽生えていきます。シーズン3では、そんなフロントマンの人間らしい葛藤や微妙な変化も感じてもらえたらうれしいです」

私は最初、フロントマンはギフンが自分と同じ選択をすることを期待していたのではないかと思いましたが、全く逆だったようです。

最初は純粋な興味だったかもしれませんが、次第にギフンへの期待が大きくなっていったようです。

イノも、フロントマンでありながらも、このゲームやこの社会に対する疑問をずっと抱えていたのでしょう。

ただ、この提案が私が一番気になったところです。

赤ちゃんが参加者として扱われることになったとき、ゲーム外で他者に危害を加えることは禁止となりました。

ということは、ギフンが他の参加者をゲーム外で殺したら失格となるのではないでしょうか。

それにも関わらず、フロントマンは他の参加者を殺して優勝すれば助かると提案しました。

またその場合、赤ちゃんは生かしておいても二人が優勝となったのでしょうか。

最終ゲーム「天空イカゲーム」は4人以上いないと最後まで進めませんが、途中で残り1人になったらその時点で優勝だと思います。

つまり、他の参加者を殺して赤ちゃんと二人になっても、二人が優勝とはならず、最終ゲームに参加しなければならなかったのではないでしょうか。

この提案はVIPには知らせておらず独断で行った可能性が高いです。

なぜなら最終ゲームが見られなくなってしまったらつまらないし、賭けもしていたからです。

もし、フロントマンのせいで最終ゲームが行われなかったらVIPは許さないのではないでしょうか。

しかし、ギフンは誰も殺さずに、翌日の最終ゲームを待ちました。

自分と赤ちゃんが狙われて殺されることは明白だったのに。

これをモニターで見ていたフロントマンの表情は、何とも言えない表情でしたね。

フロントマンが多くを語らないキャラクターのため、想像するしかない部分が多いですね。

結果、上記のようなことは起こらなかったわけですが、ここはちょっと設定が甘かったと感じます。

ラストシーンはスピンオフ『イカゲーム: アメリカ』を示唆

そして、最終ゲーム「天空イカゲーム」では、赤ちゃんを生かすためにギフンは自ら犠牲になりました。

このギフンの選択と行動は、フロントマンの心に大きな影響を与えたことでしょう。

フロントマンはその後、生き残った赤ちゃんと優勝賞金を弟のファン・ジュノに託し、ギフンの優勝賞金をホテルから回収し、ギフンが着用していたジャージと共に、アメリカに住むギフンの娘ソン・ガヨンに届けました。

その帰り、フロントマンは車の中から、ゲームのスカウトマンと思しきスーツの女性(演:ケイト・ブランシェット)とゲームの参加者候補が路地裏でめんこ勝負をしているのを目にします。

フロントマンのことを知っているかのような意味深な表情のスカウトマンでしたね。

アメリカでも同じくイカゲームが行われていることが明示されたラストシーンでした。

ケイト・ブランシェットが出演しているのがすごいですよね。

どうやらシーズン3の続編ともいえる、アメリカ・ロサンゼルスを舞台にしたスピンオフ作品『イカゲーム: アメリカ』(Squid Game: America)の制作が決定しているそうです。

現在Netflixと独占契約を結んでいるデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮・監督を務めるようです。

ソン・ギフンを演じるイ・ジョンジェも、アメリカ版イカゲームについて「とても楽しみにしている。待ちきれないよ」とインタビューで答えています。

ケイト・ブランシェットも出演するのでしょうか。

楽しみですね。

続編『イカゲーム4』はある?

では、続編『イカゲーム』シーズン4はあるのでしょうか。

ファン・ドンヒョク監督によるとどうやらシーズン4はなさそうです。

「物語は、これ以上語る必要がない形で終わったと思っている。だから、結末からさらに続く物語を語ることにはあまり興味がない。もしいつかスピンオフを作るとしたら、むしろシーズン1と2の間の空白の期間に何があったのかを描く方を選ぶだろう。でもこれはまだアイデア段階で、スピンオフがいつ、どうやって実現するかは全く未定である」

https://dramanavi.net/articles/301189

主人公のソン・ギフンの物語はシーズン3で完結したので、正統な続編を作ることは難しいでしょうね。

ただし、スピンオフについては可能性を残しています。

また、フロントマン役のイ・ビョンホンも、トーク番組でフロントマンのスピンオフの可能性をほのめかしていたそうです。

シーズン3のラストシーンから、フロントマンはスピンオフ『イカゲーム: アメリカ』にも出演するかもしれませんね。