※ネタバレを含みますのでご注意ください。
映画『ゴジラ-1.0』、素晴らしい映画でしたね!
個人的に映画史上ベスト10に入るほどのお気に入りです!
何と言っても人間ドラマが最高です。
ゴジラが人間の味方じゃない作品のほうが好きかもしれません。
これこそゴジラ映画だと感じました。
そんな『ゴジラ-1.0』の中で一番気になったのがラストシーンです。
物語の途中、ゴジラの熱線によって生じた爆風によって亡くなったと思われていた典子との感動の再会のシーンですが、本当によかったと感動したのも束の間、典子の首元に黒い模様のような痣が見えました。
この痣は一体何なのでしょうか。
典子の首の黒いアザは何だったのか?
ゴジラは、ビキニ環礁にて行われたアメリカ軍の核実験「クロスロード作戦」での原子爆弾を受けて変異しており、大量の放射線を放出しています。
さらにゴジラの放つ放射熱線は、とんでもない放射能でしょう。
人間は放射線被ばくすると、数日から数週間で、白血球の減少などの血液障害、嘔吐や下痢などの消化管障害などの急性放射線症になったり、数年後にはガンや白内障などを発症する可能性があるそうです。
典子の首に現れた黒い痣は、放射線被ばくしてしまったことを視覚で伝えるための皮膚ガンのようなものかと想像しました。
しかし、典子の痣は模様のようになっており、ただの痣ではないように思えました。
せっかく助かったのに、病気になってしまったの?と、喜びと不安が混じるラストでした。
そのまま典子の痣の正体は分からぬままでしたが、映画公開からしばらくしてインタビューで山崎貴監督は、
「明言は避けたいと思いますが、なぜ典子はあんな目に遭っても死ななかったのかということですね。最後に敷島を典子と会わせてあげたかったんですが、いかにも的なハッピーエンドにはしたくないので、ああいう形で典子を生かしたと。やっぱりゴジラが戦争や核の象徴である以上、死にはしませんでしたがこの先幸せだけが待っているわけじゃない。ハッピーエンドは嫌だけど、バッドエンドにもしたくないという着地点です」
https://moviewalker.jp/news/article/1171738/p2
と回答しています。
そして、2024年4月28日にグランフロント大阪のうめきた広場にて開催された「ゴジラ・フェス大阪」で、山崎貴監督とアナウンサーの笠井信輔さんとの対談動画が披露され、そこで笠井さんの「あの黒い痣は、ゴジラ細胞なんですか?」という質問に対し、山崎貴監督は「ゴジラ細胞です」と認めています。
先のインタビューの回答では「なぜ典子はあんな目に遭っても死ななかったのかということですね」と言っていましたが、ゴジラ細胞の脅威的な再生能力によって生かされたということだったんですね。
脚本の段階では、典子は死んでしまったほうが切なくてドラマチックでいいという意見が多かったそうで、典子が本当に死んでしまったまま終わるというパターンもあったそうです。
でも、最終的に敷島がかわいそうになってしまって典子を生かすことにしたそうです。
それで、典子は死んでいなかったっていうバージョンで撮影していたそうですが、あの爆発でよく生きていたよなって思い始めてしまって、首元に印をつけてもらって、首元にカメラが寄っていくというシーンをエキストラカットとして撮影したそうです。
首に痣があることは元々台本にはなかったそうで、何かに使えるかなと思って撮っておいたそうです。
そして、それがゴジラ細胞の力で甦ったということを示すシーンになったとのことです。
撮影現場での閃きが凄いですね。
そのシーンがあるかないかで全く違うラストになりますからね。
個人的には、典子が生きていてくれて本当によかったと感動しましたし、死んだままだったらここまで好きな作品にはならなかったかもしれません。
続編はある?
今後、ゴジラ細胞が典子にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
これまでのゴジラ作品によると、ゴジラ細胞は、高い再生能力に加え、病原菌や有害物質を駆逐し、放射線をエネルギーとして取り込むという優れた性質を持っている一方、極めて侵食性が高く、他の生物に組み込まれた場合はその生物の組織を乗っ取って怪獣化させてしまう性質も持っていました。
もしかすると典子は、被ばくによる病気にはならないかもしれませんが、怪獣になってしまうかもしれません。
典子と同じように、銀座でゴジラの被害に遭いながらも、ゴジラ細胞によって生かされた人が他にもいるかもしれません。
典子の首の痣のシーンは、元々台本にはなく、何かに使えるかなと思って撮っておいたとのことでしたが、山崎貴監督によるVFX解説副音声では、そのシーンについて「もし2作目がある時のために撮った」と語っています。
撮影の段階でどこまで考えていたのかはわかりませんが、監督の中で続編の可能性があるということですね。
痣のシーンの後、映画の最後には、バラバラになったゴジラの肉片が再生されていきました(ドラゴンボールの魔人ブウ並みの再生力だなと思いました)。
そして、第1作目の映画『ゴジラ』に続くんだなと思いました。
元々は『-1.0』というタイトルの通り、第1作目の映画『ゴジラ』以前の物語であり、『ゴジラ-1.0』の続編は『ゴジラ』ということだったと思います。
完成報告会見で、『-1.0』というタイトルに込めた思い、狙い、意図について問われた際に、山崎貴監督は
「戦後でゼロの状態になっている日本に、ゴジラがやってきて、悲惨な状況になっていく中で人々がどう立ち上がるかという意味の-1.0や、初代のゴジラより前の時代を描くという-1.0でもあります。助走のための-1.0、ここからどう生きていくかと一度身を引く-1.0、何かを失う-1.0でもあるので、いろんな意味を感じていただければ」
https://natalie.mu/eiga/news/539593
と説明していました。
『ゴジラ-1.0』の舞台は、1954年が舞台だった第1作目『ゴジラ』よりも前の時代である1945年〜1947年です。
『ゴジラ-1.0』と『ゴジラ』の間に、『ゴジラ0』があるかもしれません。
数々の賞を受賞し、興行収入も大成功を収めたことから、続編が期待されていることは間違いありません。
これまでのゴジラ作品にはない、『ゴジラ-1.0』を超えるようなアイディア次第だと思います。
ただ、ゴジラは永久に不滅であり、『ゴジラ-1.0』の直接の続編でなくとも、今後もゴジラ映画が製作されることでしょう。
【追記】
2024年11月1日に「金曜ロードショー」で『ゴジラ-1.0』が地上波初放送され、映画終了後に『緊急告知 ゴジラ 新作映画 製作決定 続報を待て』と表示され、ゴジラの新作映画が製作されることが発表されました。
監督・脚本は『ゴジラ-1.0』と同じく山崎貴監督が務めますが、『ゴジラ-1.0』の続編なのか、新しい物語になるのかはまだ分かりません。
続報を楽しみに待ちましょう!