映画『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』ブルーが単体で子供を産めたのはなぜ?

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

2022年7月29日に公開された映画『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』

『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』シリーズの第6作であり、『ジュラシック・ワールド』三部作の完結編です。

この映画では、第4作『ジュラシック・ワールド』、第5作『ジュラシック・ワールド 炎の王国』に登場した個体で、主人公オーウェンによって飼育・訓練されてきた雌のヴェロキラプトル「ブルー」が子供の「ベータ」を生みます。

なぜブルーは1頭しか残っていないのに子供を産むことができたのでしょうか。

設定では、ブルーに組み込まれたオオトカゲ科の遺伝子による影響で単為生殖が可能だったとのこと。

(ブルーにはノドグロオオトカゲとナイルオオトカゲのDNAが組み込まれており、あの鮮やかなブルーの体色が実現された)

単為生殖とは、有性生殖する生物で雌が単独で子を作ることを指し、正確には卵が受精を経ずに発生を始めることをいいます。

雌側(母体)の遺伝子のみを受け継ぐことになります。

無性生殖技術によりシャーロットが産んだ娘メイジー(前作ではクローンといわれていた)と、ブルーが単為生殖で産んだベータとは同じ状態だといえるかもしれません。

単為生殖できる生物の大半は、ハチ、アリ、ミジンコなどの無脊椎動物で、彼らは有性生殖と単為生殖を切り替えることができます。

脊椎動物でも、ヘビ、コモドオオトカゲ、サメなどで単為生殖が確認されており、2023年にはワニが単為生殖したことが初めて確認されました。

鳥類でも、稀ながら、七面鳥、鶏、カリフォルニアコンドル、ハトなどで単為生殖が確認されているそうです(無精卵はたくさん産まれても孵化するのは非常に稀)。

単為生殖できない哺乳類は生物の中では珍しい部類とのこと。

映画『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』でブルーが単為生殖できたのは、組み込まれたオオトカゲ科の遺伝子によるとされていますが、純粋な恐竜も単為生殖できた可能性はあります。

第1作『ジュラシック・パーク』では恐竜が勝手に繁殖しないよう雌の恐竜だけを作っていましたが、恐竜が卵を産むシーンがあり、単為生殖で繁殖することが可能になっていました。

恐竜に近いとされる鳥類やワニが単為生殖できるなら、恐竜もできた可能性がありますね。