劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』安室透(降谷零)の過去と重なるワニ(鮫谷浩二)の死。安室さんが激怒していた理由

※以下はネタバレを含みますのでご注意ください

劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』では、警察庁警備局警備企画課(通称:ゼロ)の公安警察捜査官である安室透(本名:降谷零)が捜査に関わっていましたが、ファンの間では安室さんが犯人に対してめちゃくちゃ怒っていると話題になっています。

というのも、今回の事件が安室さんの過去の出来事を連想させる部分が多いためです。

特に鮫谷浩二警部の死が、安室さんの同期である伊達航諸伏景光の死を連想させます。

安室さんは、ワニこと鮫谷浩二警部に婚約者がいることは知っていたと思われます。

警察官は上司に交際を報告する義務があり、安室さんは隠れ公安である鮫谷警部の上司なので、交際の報告を受けていたと思います。

鮫谷警部に「八ヶ岳連峰未宝岳雪崩事故」の調査を指示したのは安室さんです。

そんな婚約者がいる鮫谷刑事が殺されて、安室さんは警察学校時代の同期である伊達航とその恋人ナタリー・来間のことを思い浮かべたはずです。

伊達は居眠り運転の車にはねられて亡くなり、安室さんの警察学校時代の同期仲間の5人の内生き残りは安室さんだけになってしまいました。

伊達は死の直前に婚約指輪をナタリーに渡すよう部下の高木渉刑事に託しますが、伊達の死を知ったナタリーはまもなく後追い自殺してしまったため、指輪を渡すことは叶いませんでした。

安室さんは、結婚して幸せになるはずだった仲間をまた亡くしてしまったのです。

アニメオリジナルのスピンオフ作品『名探偵コナン』1161話「秘密の残像」で、鮫谷警部の恋人に結婚指輪が渡ったのはせめてもの救いですね。

そして今作にも登場した諸伏景光は警視庁公安部所属の警察官で、安室さんとは幼馴染であり、同じく警察学校時代の同期です。

安室さんと共に黒ずくめの組織へ潜入捜査を行っており、その際に正体がばれ、公安の情報を知られないために拳銃で心臓を撃って自殺してしまいました。

自殺ではありませんが鮫谷刑事も心臓を撃たれて亡くなっています。

また、毛利小五郎が鮫谷刑事に呼び出されて会う直前に事件が起こったという状況は、自分が諸伏景光に呼び出されて会う直前に事件が起こった状況と同じで、小五郎のおっちゃんの立場と自分を重ねただろうと思います。

二人ともあと一歩のところで助けられたかもしれないという思いがあったはずです。

これらのことから安室さんは今回の犯人のことを絶対に許せないと思っており、最後に犯人に司法取引を強要したときにめちゃくちゃ怒っていたと話題になっているのです。

これらのことが狙った脚本なのか、偶然の重なりなのかは分かりませんが、色んな考察ができるのも『名探偵コナン』の魅力ですね。

サブタイトルの“残像(フラッシュバック)”は安室さんの過去、記憶にもかかっているのかもしれません。