※ネタバレを含みますのでご注意ください。
2025年6月27日の公開された映画『F1/エフワン』(原題:F1)
『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督、アーレン・クルーガー脚本、ブラッド・ピット主演、音楽ハンス・ジマーなど、超豪華メンバーで大好きなF1が映画化されるということで本当に楽しみにしていました。
これは『トップガン マーヴェリック』と同じく4DXにぴったりな映画だと思い、4DXで観てきました。
ストーリーは王道ですが、ルールや車の知識、チームの仕事、専門用語など、F1を知らない人には分からない部分が多いのではないかと少し心配しました。
トランプカードの意味は?
さて、この映画の中で、印象的で象徴的なのがトランプですよね。
ブラッド・ピットが演じる主人公ソニー・ヘイズは、レースに挑む際、必ず一枚のトランプをランダムに取り、絵柄は見ずにポケットに入れます。
また、部屋にいるときには、カゴなどを標的にトランプを飛ばしていました。
彼はレースから離れていたときはギャンブルに溺れていたそうですし、父親もギャンブラーでした。
そして、チームメイトでありライバルであるジョシュア・ピアスと、翌日のレースの優先権を賭けてポーカーをした際には、ジョシュアよりも強いカードを持っていたにも関わらずわざと敗北を演じ、ジョシュアに自信を与えました。
ソニーがレース前に絵柄を見ずにトランプを一枚ポケットに入れる行動について、監督のジョセフ・コシンスキーは、
「毎日のように命をかけているからこそ、そういうことをするようになったのだと思う」
「彼の父親はギャンブラーで、私たちはその概念が彼の儀式の一部であることを気に入りました」
と語っています。
つまりソニーの迷信(ジンクス)ということです。
それがトランプであることが、彼や彼の父親がギャンブラーであること、父親とのつながりを象徴しています
パフォーマンス向上のために、意識的に繰り返される行動はルーティンと呼ばれ、迷信とは異なりますが、迷信でも不安を軽減したり、気持ちを高める効果が得られる場合もあります。
実際に多くのドライバーやアスリートにも同じように迷信やルーティンを持っています。
ソニー・ヘイズを演じたブラッド・ピット自身にも迷信があるとのことで、彼は車に乗り込むとき、必ず左側から乗るそうです。
また、靴を履くときは、片方を履き終えてから、もう片方を履いているそうです。
実際にF1も、ギャンブルとはいえませんが、運の要素がとても大きいと思います。
トランプが象徴的に使われているのは、ソニー・ヘイズのギャンブラー気質やF1の運要素を表すメタファーではないでしょうか。
最後のトランプカードの数字と絵柄・マークは何?
レースに挑む際、絵柄を見ずにトランプを一枚ポケットに入れるソニーですが、レース後にはトランプの絵柄を確認しています。
もう結果は出ているのですから意味はないのかもしれませんが、実際の結果と迷信とを照らし合わせて、どうだったかを確認しているようですね。
まるでポーカーのようでもあり、占いのようでもあると感じました。
一番気になるのは、最後のレース前にポケットに入れられたトランプの数字と絵柄ではないでしょうか。
レース後に、それを確認するシーンがありますが、観客には分からないままでした。
これには答えはありませんが、おそらく「スペードの7」か「スペードのエース」だろうと考察されます。
ソニーのヘルメットやスーツにはスペードのマークの上にカーナンバーである7が印字されています(チームメイトのジョシュアのカーナンバーは9)。

F1のカーナンバーは2014年以降、デビュー戦の際に2~99の中で使われていない番号の中から任意のものを選択し、それが自身のキャリアにおいて固定の番号になります。
ナンバー1は前年のワールドチャンピオンのみ選択可能となっています。
ソニーは今回F1に復帰した際にカーナンバー7を選択したということになり、ギャンブラーらしくラッキー7を選んだのだと思います。
自身のカーナンバーのデザインでありラッキーナンバーでもある「スペードの7」か、ポーカーで一番強い数字であり特別なデザインである「スペードのエース」が最後のカードである可能性が高いと思われます。
個人的には「スペードのエース」が優勝したソニーに相応しいカードだと思いますが、ラッキーセブンの「スペードの7」もソニーらしくていいなとも思います。
あなたは何のカードだったと思いますか?